亡くなった人を安らかな表情に整え、遺体をひつぎに納めることが笹原さんの仕事です。東日本大震災では岩手県の沿岸部で、損傷が激しかった犠牲者の顔や体を修復して遺族に対面してもらうボランティアをしていました。300以上の遺体を復元した別名「おもかげ復元師」。震災の死者と、まさに真正面から対話を続けてきた人物です。
最近本を読まない、近年涙を流さないという私にとって、この講演はとても大きな衝撃を与えてくれる時間となりました。
私を含め、殆どの方々がすすり泣きしながら、参加した講演会でしたね。
1972年度の同学年生まれという事もあり勝手に親近感を覚え、一方的に講演後に楽屋控え室に顔を出し「第二次ベビーブーム世代ですよね。」とヘラヘラお話しながらも、事前に購入していた本にしっかりサインを頂いてきました。
お疲れの中、お馬鹿ちゃん相手に快く対応して頂き、笹原さんには心より感謝しております。
「自分のその仕事」や「自分の生き方」に「しっかり芯が根ざしている方」には大きなオーラを私は感じます。
今日の講師の笹原さんにも、まさにそれを感じました。
私は、自分の仕事にきちんと誇りを持って接しているだろうか?
自信を持って私の仕事はこういう事だ、と胸を張って言えるだろうか?
孔子曰く「四十にして惑わず」。
「四十二でも戸惑っている自分。」
「戸惑いながらもしっかり進まれている四十二の方。」
目の当たりにした「その差」。
でもあせってはいけない。
頑張りすぎてもいけない。
自分の与えられた「縁」を基に、ちょっとずつ努力し続けたいものと思いました。
奪衣婆(だつえば)と懸衣翁(けんえおう)に、つかまらないようにもね…。

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